arrow_upward
menu
2002年 秋号(第2号)…お風呂に上手に入りましょう
2002年 秋号(第2号)…お風呂に上手に入りましょう
開業15年を迎えて
院長 岡村理栄子
東京都皮膚科医会にて講師のジローラモさんと

だんだんとさわやかな季節になってきました。 さて、11月12日は「皮膚の日」です。 「いいひふ」というゴロあわせからきているのですが、しかし、それだけではなく夏の厳しい日光やクーラーによる乾燥で傷んでしまった皮膚も、また蒸暑いためジクジクしていた水虫も一段落し、皮膚の事を考え、冬に対する準備をするには良い時期だと思います。 また、さわやかな季節なので野外で過ごすことが多くなり案外夏より虫に刺されてしまったり、草や花にかぶれてしまうこともあります。 厳しい夏を乗り越えられたと油断しないようにしたいものです。

ところで、皆さんは皮膚が全体重の14パーセントも占め、人体を被い外界との境を成すだけでなく、それ自体が生命を保つ事に大切な働きをしていることを御存知ですか? 私達の皮膚はただの壁として働くだけでなく科学的にばい菌を殺したり、汗によって体温を調整したり大働きをしています。 しかも、他のほ乳類と違い毛皮でないことなど、人間の皮膚は自然界にハンデがありますので、日に焼けすぎないようにしたりと私達も皮膚の働きを助けて、またなにかトラブルが起きたらすぐ対応することが大切です。 幸いなことに皮膚は自分で見ることができます。癌ですら、ほかの臓器と違い自分で見つけられます。 よく、「こんなことで、大げさでしたか?」とおっしゃる方がいますが、私はそう言う方は「良く見ていらっしゃるなー」と感心するばかりで、すこしも大げさと思いません。

年に1回の人間ドックのように「皮膚の日」に自分の体を鏡に映して見てください。爪も髪も皮膚です! 足の裏も忘れずに!

岡村は15年来、東京都皮膚科医会の「ひふの日」の検診に参加しています。今年は小金井市でも検診が出来るように計画しています。

お風呂に上手に入りましょう!
「皆さんお風呂に入っていらっしゃいますか?」とこんな事を聞くのは、最近日本人でもシャワーだけの方が増えてきているからです。皮膚を清潔にするためにはお風呂にはいるのが一番です。ゆっくり入れば、皮膚の表面に付いたアレルギーのもとの家ゴミもお湯に溶け出すと言う説もあります。でも、季節によってはお風呂の入り方に気を付けなくてはいけません。また、勿論、皮膚におできができたり、やけどをした時などその部分が濡れなくても入ってはいけない時もあります。
lightbulb_outline何処から洗いますか?
シャンプーからしましょう。肩や首筋などにシャンプーが付いたままですとかぶれてしまいます。きちんと、石鹸で洗い流しましょう。その時は、顔も洗いましょう。
lightbulb_outline石鹸はどの位使いますか?
少ないときちんと汚れが落ちませんが、多すぎると必要な皮膚の脂分や保湿成分が流れ落ちて皮膚がかさかさしてしまい、痒みが出てしまうことがあります。一度にたっぷり使わずに足りない時に少しずつ足すようにします。特に液状のものはポンプー押しが石鹸を5回ほどなすりつけた量と同じと言われていますので、使いすぎに気をつけましょう。
lightbulb_outline汗をかく前にも入りましょう!
汗をかくと皮膚に付いた色々な物質が汗に溶けて皮膚の中まで入り易くなります。暑い日や運動をする日に朝入浴しておくと痒みが少なくてすみます。
lightbulb_outline水虫に罹った人は治っても良く洗って!
水虫の原因のカビはそこら中います(銭湯やスポーツクラブなど)。でも、うつる人とうつらない人がいます。足の形や生活環境などが違うからと考えられます。水虫はきちんと薬を塗れば治ります。そして、いちど罹った方は自分が罹りやすい事を覚えていて、足を必ずよく洗い、よく拭くことを習慣付けてください。勿論、治療中も石鹸できちんと洗ってから薬を塗りましょう!
lightbulb_outline特別な石鹸
かさかさしやすい人は脂を落としすぎないような石鹸、ニキビの人はしっかり脂がとれる石鹸、いずれにしてもゆっくり、こすらず、そっと、でもしっかり洗い流すことが大切です。最近ではグルコール酸入りの石鹸があります。肌のくすみ、小皺、ニキビなどの自己ピーリング用です。当院でも皮膚の状態別の種々の石鹸を販売していますが、購入する前に必ずサンプルを使ってみてください。